日本外科系連合学会誌
Online ISSN : 1882-9112
Print ISSN : 0385-7883
ISSN-L : 0385-7883
症例報告
出生前診断しえた先天性幽門閉鎖症の1例
阪 龍太長谷川 利路
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 35 巻 1 号 p. 26-29

詳細
抄録
 先天性幽門閉鎖症は100万出生に1例程度の発生であり,非常に稀である.このため,出生前診断の報告も少ない.[症例] 母体は21歳,近親婚なし.33週2日,前期破水を認め,当院に母体搬送.来院後の超音波で羊水過多および胎児の胃泡の拡張を認めた.ステロイド投与を行い,子宮収縮抑制を行っていたが,経過中も胎児の胃泡のサイズに変化はみられなかった.34週0日,2,114gで出生,出生後の腹部単純X線写真,上部消化管造影から先天性幽門閉鎖症と診断し,日齢4で幽門形成術施行.術後経過は良好である.出生前に先天性幽門閉鎖症と診断しえた1例を経験したので,文献的考察をまじえ報告する.
著者関連情報
© 2010 日本外科系連合学会
前の記事 次の記事
feedback
Top