園芸学会雑誌
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カキ'西条'と'平核無'の結実ならびに果実発育に及ぼす合成サイトカイニン (KT-30) とGA3の影響
長谷川 耕二郎久家 工人三村 哲之中島 芳和
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1991 年 60 巻 1 号 p. 19-29

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抄録

渋柿品種の'西条'および'平核無'はともに品質優良とされているが (7), 両者とも果実がやや小さく, 脱渋後の日持ちが良くない欠点をもっている. また, '西条'の若木では結実が不良で果実の成りが少ない傾向にある (7).
'平核無'の結実は比較的良好であるが (8), 日照がいちじるしく不足すると生理落果しやすく (18), カキの計画的生産を行ううえで落果防止の技術を確立することが必要である. カキの生理的落果防止にはジベレリン (GA) の効果が認められているが (13, 15), GA処理した果実の肥大は必ずしも充分でないことも報告されている (2).
合成サイトカイニンの一種, N- (2-クロル-4-ビリジル) -N-フェニール尿素 (KT-30) は最近開発されたサイトカイニン活性のきわめて高い植物生長調整物質であり (9), 数種の果樹の果実肥大に効果があることが報告されている (1,6, 17,19, 20,21). 筆者らはこれまでカキの結実が増加し, しかも果実肥大にも効果のある数種の植物生長調整物質について調査してきたが, 今回,KT-30がカキ'西条', '平核無'の結実および果実肥大にいちじるしい効果を示したのでここに報告する.

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