2024 年 27 巻 5 号 p. 653-660
近年,救急救命士を病院内で雇用する医療機関が増加しており,救急救命士にとって医療機関は就職先の一つとして考えられるようになった。また,2021年に救急救命士法が改正され,救急救命士による医療機関内(主に救急外来)での救急救命処置の実施が可能となり,病院で働く救急救命士の需要はさらに拡大することと思われる。しかし,現状ではその業務内容に対する他職種の理解は乏しく教育体制の確立もなされていない。そこで今回,当院における救急救命士業務を検討し,教育体制の整備を行う必要があると考えた。本研究では当院に在籍している救急救命士,関係する医師および看護師を対象に無記名アンケート方式による意識調査を実施した。その結果を解析し,当院の救急救命士用のクリニカルラダーの作成,導入に向け整備を行ったので報告する。