脳卒中
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原著
非弁膜性心房細動に伴う脳梗塞の重症度・転帰と CHADS2スコアとの関連に関する研究
姉川 敬裕矢坂 正弘中村 麻子湧川 佳幸齊藤 正樹岡田 靖
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2010 年 32 巻 2 号 p. 129-132

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抄録

非弁膜性心房細動(NVAF)ではCHADS2スコアが脳梗塞発症率と関連することが知られている.しかし,CHADS2スコアと脳梗塞重症度の関連性はこれまで研究されていない.そこで,NVAFに伴う脳梗塞の重症度や転帰をCHADS2スコアと対比研究した.対象はNVAFを伴う急性脳梗塞236例で,CHADS2スコア0が10.6%,1が22.9%,2が21.6%,3が17.8%,4が22.9%,5以上が4.2% であった.入院時のNIH Stroke Scale score(NIHSSスコア)は4以下,5から22,および23以上がそれぞれ,41.1%,54.7%,および4.2% を占め,CHADS2スコア間でのNIHSSスコアの差異は見られなかった.退院時のmodified Rankin Scale(mRS)は1以下,2から3,および4以上がそれぞれ,33.5%,25.0%,および41.5% で,CHADS2スコア毎の差異はなかった.NVAFに伴う脳梗塞においてCHADS2スコアは脳梗塞の重症度や転帰に関係しない.

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© 2010 日本脳卒中学会
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