抄録
【背景および目的】バルーン閉塞試験を行う前に,ウィリス動脈輪における前交通動脈を介した側副血行の程度を予測するための方法として,頸動脈超音波検査と用手的頸動脈圧迫法(以下,Matas test)を組み合わせて側副血行路の程度を評価した.【方法】対象は,45症例(脳血管撮影34例,心臓カテーテル検査11例)である.まず,Matas test下に頸動脈撮影を行い,画像所見からcross-fillingを3つのgradeに分類した.さらに,一側の内頸動脈において,頸動脈超音波検査を行い,Matas test前とMatas test施行中の流速を測定し,その変化率について,頸動脈撮影におけるcross-fillingのgradeと対比させた.【結果】良好なcross-fillingを認めるgrade 3の群では,Matas test下で内頸動脈の流速が,その他の群と比較して有意に上昇していた.【結論】Matas test下での頸動脈超音波検査を行い,対側の頸部内頸動脈において,収縮期最大流速の上昇率を評価することは,前交通動脈を介した側副血行を評価する方法として有用である.