脳卒中
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原著
症候性または無症候性ラクナ梗塞を有する高血圧患者の心血管イベント発症リスク層別化における24時間自由行動下血圧測定の意義
白石 眞渡辺 裕文櫻井 謙三加藤 文太長谷川 泰弘
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2012 年 34 巻 1 号 p. 1-7

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抄録
症候性または無症候性ラクナ梗塞を有する高血圧の心血管系イベント発症リスク層別化における24時間自由行動下血圧測定(ABPM)の意義を調べた.対象は症候性または無症候性ラクナ梗塞を有する高血圧175例.ABPMから得られるパラメータと症候性脳卒中または急性冠動脈症候群による複合エンドポイントとの関連を調べた.平均4.8年の追跡期間中,複合エンドポイントは38例で,うち34例はラクナ梗塞であった.複合エンドポイントに対する睡眠時間帯収縮期血圧最低値の3分位では,年齢,性別,喫煙,糖尿病,高脂血症,慢性腎臓病,症候性ラクナ梗塞を調整した収縮期血圧133 mmHg以上のハザード比は3.93 (95%RI 1.57-9.86,P<0.004)で,132 mmHg以下と比べて有意であった.症候性あるいは無症候性ラクナ梗塞巣を有する高血圧の睡眠時間帯収縮期血圧最低値はラクナ梗塞発症のリスク層別に有用であった.
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© 2012 日本脳卒中学会
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