一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
64回大会(2012年)
セッションID: 3B-13
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口頭発表 5月13日 食物
経口投与されたγ-アミノ酪酸(GABA)のラット体内における挙動について
*築舘 香澄大森 正司
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抄録

目的 γ-アミノ酪酸(GABA)は抑制性の神経伝達物質として脊椎動物の脳内に存在することが知られている.また,現在では様々な末梢組織にGABAが存在することも認められている.近年,GABAは血圧上昇抑制作用や抗ストレス作用,成長ホルモン分泌促進作用,腎機能障害抑制作用,中性脂肪増加抑制作用を有することが知られ,機能性食品素材として注目されているが,食餌性GABAの体内における挙動について検討した研究はほとんどない.そこで本研究では,ラットにGABAを経口投与し,各臓器におけるGABAの分布について検討した.
方法 6週齢のWistar系雄性ラットを用いた.ラットに10%GABA溶液を1mL強制経口投与し,1,3,5時間後に二酸化炭素による安楽死の後開腹し,心臓採血を行った.その後,生理食塩水を灌流して脱血し,胃,肝臓,腎臓,脾臓,十二指腸,盲腸,大腸,睾丸,脳を摘出した.採取した血液および臓器についてTCA溶液で除タンパク後,L-8800形日立高速アミノ酸分析計を用いてGABA含量を測定した.
結果 血液,肝臓,十二指腸および睾丸中のGABA含量は,投与後1時間で最大値を示し,時間とともに緩やかに減少した.胃では投与後1時間で最大値を示し,その後,急激な減少が認められた.腎臓では,投与後1時間から3時間で最高値を示し,その後減少した.脾臓では投与後3時間で最大値を示した.盲腸および大腸では,投与後,時間とともに増加した.GABA投与後,脳中GABA含量の大きな変化は認められなかった.

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© 2012 一般社団法人 日本家政学会
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