北関東医学
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低出生体重児
その実態と背景
高玉 真光渡辺 孝
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2000 年 50 巻 4 号 p. 347-354

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抄録

ここ10数年来, 日本では低出生体重児が増加の一途をたどっている.これは母子保健指導の徹底や周産期医療の向上により, 従来なら死産すべき運命にあった者が無事出生することや, 高齢者出産が増えた結果と解釈されている.しかし, 自然死産や妊娠28週以後の死産が減少し始めた時期と低出生体重児が増加し始めた時期とは約10年あるいはそれ以上の隔たりがあるだけでなく, 近年の低出生体重児増加数は年々減少しつつある死産数を遙かに上回っている.さらに, 昭和60年以降は若年者層でも低出生体重児は増えつつある.したがって, 近年における低出生体重児の増加については, 上記のような尤もらしい要因だけで説明できるものでない.

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