従来よりも旨味の強い納豆を製造するために,土壌,稲わら等からプロテアーゼ活性の高い枯草菌をスクリーニングした.その結果,プロテアーゼ活性が高く(121U/ml),旨味の強い納豆を製造する菌株(NN-1)が分離された.更にNN-1は蒸煮大豆,あるいは液体培地のいずれにおいても市販納豆種菌以上に粘質物を合成した.NN-1は粘質物生成に関与しているといわれているγ-グルタミルトランスペプチダーゼを液体培地中に分泌しており,その活性も1060国際単位/lであり,市販納豆種菌よりも高かった. NN-1はBacillus subtilisと同定された. NN-1で製造された納豆は市販種菌で製造された納豆よりも遊離アミノ酸が2倍程度高く,旨味と粘性に関する官能検査でも高い評価が得られた.