日本臨床外科学会雑誌
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肝転移を疑った肝内胆管癌と胃癌・大腸癌の同時性3重複癌の1例
米満 弘一郎杉原 重哲鶴田 豊外山 栄一郎瀬戸口 美保子
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2004 年 65 巻 12 号 p. 3339-3343

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抄録

症例は65歳,男性.検診の腹部超音波検査で肝内腫瘤を指摘され,精査目的で紹介された.肝腫瘍は25mm大で腹部超音波検査にてiso~hypoechoic,腹部CT検査にてlow densityなmassに描出された.また早期胃癌とS状結腸進行癌を認め,結腸癌の肝転移の診断で,胃局所切除,高位前方切除および肝部分切除術を施行した.病理組織学的に肝腫瘍は腺癌で, cytokeratin 7/20免疫染色では肝腫瘍は7 (+) 20 (-),結腸癌は7 (-) 20 (+)であり,転移性でなく,腫瘤形成型肝内胆管癌と診断された.肝内胆管癌を合併した胃癌・大腸癌の3重複癌は非常に稀であり,術前画像検査では転移性肝癌との鑑別が困難であり, cytokeratin免疫染色が有用と考えられた.

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