日本看護科学会誌
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人工股関節全置換術における入院前患者教育の実施と評価
当目 雅代
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2004 年 24 巻 2 号 p. 24-32

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抄録

目的: 初回人工股関節全置換術 (THA) を受ける患者の準備性を高めるために入院前患者教育を実施し, 評価することである.
研究方法: 介入群は研究者による入院前患者教育を受け, 対照群は看護スタッフによる従来教育を受けた評価研究デザインをとった. 対象施設は, 近畿圏内に位置する2つの大学病院であった. THA予定患者は, 入院1~4週前に担当医から紹介を受けた. 評価尺度は, POMS気分尺度, SF-36健康関連QOL尺度, 入院前の情報に対する満足度尺度を使用した. 介入群にはTHAについてのビデオテープの視聴とパンフレットを提供した. 評価は, 入院前, 入院後1~3日以内, 退院前1~3日以内に実施した.
結果および考察: 対象者は, すべて女性であり, 介入群17名, 対照群18名であった. 分析には, 繰り返しのある分散分析を用いた. 情報満足度において, グループと時間の有意な交互作用 (p<0.001), SF-36尺度では, 日常役割機能 (身体) と日常役割機能 (精神) においてグループと時間の交互作用に有意な傾向性 (p<0.10) がみられた. POMS尺度では, 有意な交互作用は認められなかった. 入院前に患者に情報を提供することは, 患者の準備性を高める効果が示唆された.

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