土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
環境システム研究論文集 第42巻
熱需要増加とバイオマス利活用を考慮した既存地域熱供給システムの事業性改善の検討-札幌市厚別地区をケーススタディとして-
坂本 嵩延古市 徹石井 一英
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2014 年 70 巻 6 号 p. II_45-II_56

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抄録

 本研究では,バイオマスを用いた地域熱供給システム構築のために,札幌市厚別地区の事例研究を通して,既存地域熱供給への接続義務化による熱需要増加を図り,そしてそれを補うために未利用バイオマスである稲わらを導入した場合の事業性(事業採算性とCO2削減)改善の検討を行った.接続義務化による熱需要増加により事業採算性は大きく改善する.収集費が高い稲わら利用は,現状以上の収益を確保できるが,天然ガス利用に比べて燃料費の経費増大につながる.それに対して,CO2クレジットや配管への補助金の施策は,稲わら利用による経費増大分の一部を賄える可能性があること,さらに収益増加分の還元による値下げは,地域熱供給利用につながるインセンティブになることを示した.

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© 2014 公益社団法人 土木学会
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