2011 年 31 巻 2 号 p. 205-207
原則として薬物治療が第一選択となる心房細動(AF)治療において,カテーテルアブレーション治療が著しい進歩を遂げている.しかしながら,心不全などの基礎心疾患を伴うAFに対するカテーテルアブレーションの有用性が確立されておらず,最近報告されたヨーロッパ心臓病学会(ESC)の「心房細動管理ガイドライン2010」においても積極的に推奨されていない.ただし,個々の症例においてはカテーテルアブレーション治療による洞調律維持が劇的な効果を示すこともあり,今後のさらなるデータ集積によってAF治療におけるアブレーションの位置付けが変化する可能性も考えられる.