脳卒中
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初回MRI拡散強調画像が陰性であった急性期脳梗塞症例の検討
石川 達也湯浅 直樹大友 卓白水 秀樹松田 博北川 泰久高木 繁治
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2006 年 28 巻 2 号 p. 280-285

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抄録

脳梗塞急性期におけるMRI拡散強調画像(diffusion weighted image, DWI)の有用性は広く知られているが発症早期に撮像したDWIにて異常信号が描出されない症例も経験する.我々は当院にて発症24時間以内にMRIを施行した急性期脳梗塞患者170例,うちDWI陽性例151例(89%),DWI偽陰性例19例(11%)において撮像時間とDWI所見の有無からDWI偽陰性の脳梗塞の特徴を検討した.DWI偽陰性例において嘔吐,めまいなどの非特異的症状を多く認め,椎骨脳底動脈系で59例のうちDWI偽陰性は9例(15.3%)であった.DWI偽陰性19例のうち発症6時間以内は14例(73.7%),ラクナ梗塞は16例(84.2%)であった.DWI偽陰性は脳梗塞の初期状態を見ている可能性があることが示唆され,その診断には個々の症例における神経所見の変化を重視すべきと思われた.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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