外科的手術あるいは内視鏡検査前などにおける抗血小板薬休薬の至適期間を,血小板凝集の面から検討した.手術・検査のために抗血小板薬を一時中止した患者22例(アスピリン9例,チクロピジン13例)を対象とし,休薬前,休薬3日,7日,14日目に比濁法にて血小板最大凝集率を求めた.その結果,アスピリン群では休薬前に対し休薬3日後より有意に凝集能が亢進し(14.0±8.5% vs 48.1±31.2%; p<0.05),チクロピジン群では休薬14日後に初めて有意差(19.5±11.4%vs58.4±30.8%; P<0.05)を認めた.確実な目処もなく日常的に行われている休薬期間を最小限にするという観点から血小板凝集能を指標とした場合,アスピリンは術前3日,チクロピジンは2週間が望ましいと結論された.