1999 年 65 巻 4 号 p. 673-679
外房海域を漁場とする沿岸底曳網漁業において, 混獲の防除を目的として, 2つの袋網を上下に重ねた構造で, 上部袋網の天井網の一部に目合を拡大した網地パネル(混獲防除ウインドー)を備える底曳網漁具の開発を行った。操業試験の結果, 上部袋網で水揚げ対象となる生物を重量比で90%以上保持しながら, 下部袋網にゴミ類を約50%分離することができた。混獲物防除ウインドーは水揚げ対象であるサルエビの漁獲の減少を抑えながら, チダイなど特定種の小型個体の混獲を減少できた。これは, 混獲防除ウインドーに生物が遭遇する確率の種による違いに起因するものと考えられる。