抄録
本論の目的は,国際バカロレア・ディプロマプログラム(IBDP)美術科について,1教科のねらいやシラバス等の概要を文献調査等から明らかにする,2改訂後の中等教育プログラムMYPと比較して相違点,類似点を挙げながら両者の特徴を明らかにする,3日本の学習指導要領の教科目標等と比較して,DPの特徴を明らかにする,ことである。調査の結果DP美術科は,改訂前と比較し,文脈,方法,コミュニケーションといったコア領域を具体的に示したこと,文脈による概念的な学習を行うMYPとの関連があること,学問分野として芸術を捉える面が日本の美術教育より強いことがわかった。創造性を大切にするDPの美術教育は,日本の美術教育と比較し方向性において大きなずれはないが,大学入学資格として厳格な評価内容等表面的には両者の違いは存在し,DPを参考にする場合は探究的な学びを行う等のDPの学びの本質を理解する必要がある。