2024 年 66 巻 9 号 p. 1689-1693
症例は60歳女性.スプーンを誤飲し,受診した.上部消化管内視鏡検査でスプーン先端の皿部分が十二指腸に嵌入していた.汎用内視鏡とスパイラルスネアを用いて,スプーンの胃内牽引を試みたが難しく,前庭部大彎を用手圧迫したところ成功した.食道内へ牽引する際に,スプーンが食道胃接合部に引っ掛かったため,患者を仰臥位から左側臥位に変換すると牽引できた.十二指腸に嵌入した金属スプーンを2チャンネル内視鏡で回収した報告は散見されるが,今回,われわれは工夫することで汎用内視鏡での回収に成功した.スプーンのような先端が鋭利でない消化管異物回収において,スパイラルスネア,用手圧迫,体位変換が有用である可能性が示唆された.