抄録
本論は,保育における造形と音楽を結び付けた表現活動について考察するものである。岡山県内の公立・私立幼稚園171園から回収した質問紙調査のデータを基に,保育者が考案した284件の実践案を精査した。その結果,13の造形側の活動と7つの音楽側の活動が,多様に結び付いて展開されること,造形活動は実践の到達点となるのが一般的であること,音楽活動に歌詞を伴うかどうかで活動の内容と回答数に違いが生じることが明らかになった。また,造形と音楽を結び付けた表現に対する意欲を指す「表現意欲」や,造形活動単独に対する実践上の自信を数値化した「造形自信度」が,実践案を考案できるかどうかに関連していることが,量的分析により示された。