抄録
本稿では,最初に,描く行為性の観点からモダニズム絵画の終焉とそれ以降の今日的状況について考察する。続いて,和歌山大学美術教育研究会の題材開発研究より示唆を得たモンドリアン及びマティスの表現分析を行う。ここでは,描くことをドローイングとペインティングという二つの行為概念から探りたい。その上で,筆者自身が過去に行った大学教育における絵画制作の授業実践を報告し,先の考察と照らし合わせ,絵画を描く主体が身体を通して画面そして世界へと関わる「出来事」として捉える。最後に,今日求められる絵画教育として,これらの手掛かりを基に初等・中等教育の現場へと一般化し授業題材化していく展望を示したい。