2020 年 41 巻 p. 127-139
本稿は,教職員間のコミュニケーション不足からくる組織的な課題に対して,よりよい人間関係の構築を図るための,マグネットスペース設置に関する実践報告である。設置にはカリキュラムマネジメントの指針を取り入れ,「人」に焦点を当て,共同作業を通しての自然な対話から全校的な協力体制を築いていった。実践結果のアンケート調査からは,仕事のしやすさ,職場内の相互支援,安心できる職場のしくみ,メンタル面等に対して,好評価があった。また,マグネットスペースでの気軽な交流の積み重ねが,情報共有の場としても機能し,日頃の生徒の変化にも早目に気づける支援体制の充実にも繋がると期待できる。