美術教育学:美術科教育学会誌
Online ISSN : 2424-2497
Print ISSN : 0917-771X
ISSN-L : 0917-771X
アニメーション題材の複合的なねらいを解きほぐす
教科書分析を通じた概念モデルの構築
布山 タルト
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 41 巻 p. 285-296

詳細
抄録

本研究の目的は,図工・美術教育におけるアニメーション題材に含まれる複合的なねらいを整理し,実践者の構造的な理解を助ける概念モデルを構築することである。本稿ではまず現行教科書に掲載されているアニメーション題材を対象とした横断的視点からの内容分析を行い,それらに含まれる教育のねらいを抽出することを試みた。計30件の題材を分析した結果,10のねらいが抽出された。次にそれらをアニメーションを学ぶことを目的としたねらいと,アニメーションを通じて何かを学ぶことを目的としたねらいに分類し,双方をつなぐ概念モデルとして2層構造のモデルを構築した。このモデルは図工・美術におけるアニメーション教育実践のための「地図」として,また授業改善のためのアセスメントツールとしての可能性を持つと考えられる。

著者関連情報
© 2020 美術科教育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top