美術教育学:美術科教育学会誌
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『長野県内小学校聯合教科研究会図画手工研究録』に見る教育的図画の受容と克服
大島 賢一
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2020 年 41 巻 p. 33-44

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抄録
本稿は,1915(大正4)年に開催された長野県内小学校聯合教科研究会図画手工研究会の報告書である『長野県内小学校聯合教科研究会図画手工研究録』を手掛かりに,当時の長野県における教育的図画受容について以下のことを明らかにした。当時,本研究会に参加した長野県の美術教育の主導的教師たちの多くは,教育的図画や『新定画帖』について,その心理的配列の工夫や一般陶冶としての美感育成の重要性など一定程度の理解を示しながら,実践者としてその不備についても指摘していた。しかし,多くの教師たちは教育的図画や『新定画帖』が用意した議論フレームから逸脱することのない議論を行なっていた。そのような中で『白樺』によって美術文化に触れた白樺教師たちは独自の美術理解から自由画教育などを先取りするような美術教育論を展開していた。
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© 2020 美術科教育学会
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