2020 年 41 巻 p. 365-376
本研究は,昭和13~15年の戦時体制下における日本の文部省の航空教育政策の考察を行う。その目的は,同省による中学校を対象としたグライダーによる滑空訓練機の操縦と製作を含む訓練,及びその予備教育として国民学校教科書へも導入された模型航空機の製作等の教材の開発過程と,双方の影響関係について明らかにすることにある。本研究の結果,同省の教程開発スタッフの関与の基,昭和14年の東京市小学校高等科1~2年の教程において,飛行機の機種や実験用測定器等の理解を求める教材が模型製作と関連付けられていることが分かった。