本稿は,教科等間の関連付けや横断的学習が求められる昨今,図画工作と外国語活動の融合型授業をCLILの理論を援用して開発し,実践を通してその学習効果について考察したものである。図画工作の授業の中で,児童たちはアルファベット文字の形や音から生み出すイメージを絵に描いていった。外国語活動・外国語の学習指導要領の学習目標には「感性を育てる」という文言はないが,図画工作との融合によって,ともすれば無味乾燥な記号としての文字学習が児童の想像力や感性に訴え,全人的な教育的効果が期待できるものになった。児童は音, 形,色の三要素から生まれるイメージを「遊び」ながら一つにしていくプロセスにおいて,オリジナルの文字の意味を創り出した。2 つの教科が融合し合うことによる学びの相乗効果が生まれた。