抄録
本研究の目的は,図工・美術教育におけるアニメーション題材に含まれる複合的なねらいを整理し,実践者の構造的な理解を助ける概念モデルを構築することである。先行研究では2019年時の小中高の図工・美術教科書に掲載されたアニメーション題材の内容分析を行い,アニメーションを学ぶことを目的としたねらいの層と,アニメーションを通じて何かを学ぶことを目的としたねらいの層からなる2 層構造の概念モデルを構築した。本稿では同モデルを用いて1950年代から2010年代までの教科書に掲載された120件のアニメーション題材を対象とした歴史的変遷の分析を試みた。各年代ごとの題材ではどのようなねらいに力点がおかれてきたのか,その変遷を明らかにするとともに,題材分析ツールとしての2 層モデルの有効性と妥当性を示した。