千葉大学の美術教育学の制度的成立過程の三段階を解明した。第一段階:千葉師範学校から千葉大学へ美術教官の多くは移行した。移行しなかった教官は文検出身者であった。美術科教育関係授業は分担されていた。第二段階:昭和39年2 月学科目省令発足時の同大学美術関係学科目は絵画,彫塑,構成,美術理論・美術史,美術科教育の五つ全てで,各学科目への人員配置も迅速になされた。美術科教育の学科目には森桂一が所属した。第三段階:大学院設置を目前に,戸田健夫と長南光男が美術科教育に所属を移動した。昭和57年4 月に大学院教育学研究科と美術教育専攻が設置され,これにより千葉大学の美術教育学の制度的基盤は成立した。