抄録
本研究は,シュタイナー教育におけるフォルムの捉え方とその認識の特質をフォルメン線描を手がかりに考察する。フォルメン線描においてフォルムは,固定化される以前の生成の相で動的に捉えられるが,その認識のあり方はこれまで特殊な人智学用語で語られることが多かった。本研究はこれをシュタイナーによるゲーテ自然科学研究理解から捉え直し,その現代的な意義をシュタイナーの十二感覚論から考察した。その結果,フォルメン線描は,主体が形成的に動きとしてフォルムを体験することで,身体(意志)感覚に基づきながらフォルム内に働く力やリズムを生き生きと感受する体験の場をひらき,自然認識と芸術的創造活動を包括する能動的な認識の基盤を培おうとする営みと理解された。