日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第71回 (2024)
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[3Ba] 生理活性物質
麹菌発酵米糠中に含有されるセラミド類の化学構造と生理活性
*下田 博司米田 朱里竹田 翔伍石川 寿樹萬瀬 貴昭森川 敏生
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キーワード: 米糠, 麹菌, セラミド
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p. 217-

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抄録

【目的】 米糠を麹菌発酵させることによりceramides (Cer) が増加するが,各分子種の化学構造や生理活性についてはあまり知られていない.そこで,発酵物中に含まれるCer類の構造を明らかにするとともに,そのin vitroにおける生理活性を調べた.【方法】米糠に米麴および香煎を添加して固体培養後,LC-MS/MSでCerプロファイルを解析した.また逆相HPLCにより,各種glucosylceramides(GlcCer)およびCerを単離し,その化学構造を同定した.生理活性の評価は表皮三次元培養系での水分蒸散量(TEWL),B16メラノーマのメラニン生成および樹状細胞のIL-6産生を指標に実施した.【結果】発酵によりCerは8倍,GlcCerは2倍に増加していた.Cerの大部分はCer[t18:0]タイプであったが,Cer[d19:2]タイプも検出された.GlcCerではGlcCer[d19:2]タイプが5倍に増加していた.さらにCer[d19:2]にリン酸基,inositol,mannoseが結合したmannoinositol phosphorylceramides (MIPC)も検出された.単離物質ではCer[t18:0/22:0]~Cer[t18:0/26:0], GlcCer[d19:2(4E,8E)/18:1], GlcCer[d19:2(4E,8E)/18:0] を同定した.これら分子種で,Cer[t18:0/23:0], Cer[t18:0/24:0] およびGlcCer[d19:2(4E,8E)/18:1]にTEWLの低下が,Cer[t18:0/24:0]にメラニン生成抑制が,さらにCer[t18:0/24:0]およびCer[t18:0/25:0]に樹状細胞の活性化が認められた.この結果より,麹菌発酵米糠には生理活性の異なるCer類が混在していることが明らかになった.

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