日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第72回 (2025)
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シンポジウムA4: おいしさを視る-量子ビームと先端科学の共創- (日本放射光学会・日本中性子科学会・日本中間子科学会後援)
マルチプローブ・マルチモーダル研究の現在地―量子ビーム連携の在り方―
*本田 孝志
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p. 20-

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抄録

氏名(ふりがな):本田 孝志(ほんだ たかし)略歴:2014年 大阪大学大学院基礎工学研究科物質創成専攻 博士後期課程を修了、同年 高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所放射光科学第二研究系に博士研究員として入構.2015年 同研究所中性子科学研究系に助教として異動し、担当ビームライン装置副責任者を経て2022年よりビームライン装置責任者.

我が国,日本はSPring-8やNanoTerasu,J-PARCといった量子ビーム大型施設を有し,放射光X線,中性子,ミュオン,陽電子といった量子ビーム実験が可能な世界的に見ても稀有な環境である.近年は,学術分野において量子ビーム利用が学生にも多く取り入れられるようになっただけでなく,相補的に利用するマルチプローブ研究も若手研究者を始めとし定着してきた[1-4].そのため,量子ビーム間あるいは施設間の情報共有の場が必要不可欠となってきているが,徐々に構築し始められてきたのが現状である.学術分野の新規開拓や測定技術の革新において,量子ビーム研究の情報共有の場はその一翼を担う.個々のサイエンス分野では,利用する量子ビームの情報は入るが他の量子ビームの現状・将来展望は入手しづらく,新たなプローブを自身の研究に導入するには自助努力が不可欠である.実験室系のプローブであれば比較的導入しやすいが,大型施設ともなると敷居が高いのは言うまでもない.最近では,実験室系だけでなく大型施設を横断的に利用したマルチモーダル研究が,多角的な視点で研究・解析・評価できることから注目されてきている.また,若手が中心となって量子ビームが一堂に会しサイエンスベースで議論する場を形成し始めており[5,6],学会間においても連携の動きが出始めている. 量子ビーム実験はそのビームの特性によって得手不得手があり,典型例としては従来の中性子実験では放射光X線に比べて大量の試料(gオーダー)が必要といった試料量が挙げられるが,J-PARCにおける高強度ビームの実現により物質・生命科学実験施設(MLF)ではmgオーダーとなり固定観念が変わりつつある.本講演では大型施設における量子ビーム・相補利用に関する紹介および現状を含めた話題を提供する.

参考文献

[1] J. S. White, T. Honda et al., Phys. Rev. B 94, 024439 (2016).

[2] M. Hiraishi et al., Nature Physics 10, 300 (2014).

[3] J. Yamaura et al., Chem. Commun. 56, 1385 (2020).

[4] 本田孝志, 放射光 33, 125 (2020).

[5] 本田孝志, 藤田全基,波紋 31, 42 (2021).

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