日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第72回 (2025)
セッションID: 3Da09
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[3Da01-10] 加工,製造技術
真空包装と酵素処理の併用による新規果汁製造方法の開発
*山崎 慎也
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抄録

【目的】果実飲料の製造において,搾汁後の残渣の多くは廃棄処分されており,近年問題視されている食品ロスの一端を担っている.残渣には食物繊維をはじめとする様々な栄養機能成分が含まれており,製造時の残渣量を低減できれば食品ロスの削減のみならず,飲料の栄養機能の増強が期待できる.そこで我々は,果実と酵素を真空包装し酵素反応させることで,短時間で酵素反応を進め液化を促進する手法を検討した.

【方法】皮を剥き,芯を除いたリンゴを8分割し、さらに2cm程度の幅に切ったものを,真空包装及びボイル加熱可能な樹脂製の袋に入れ,1 %(w/v)ペクチナーゼ水溶液をリンゴ50 gに対し2.5 mL加え,真空包装した.これを50 ℃で1 h及び3 h保温し,その後袋のまま90 ℃, 20 分間加熱し酵素失活した(“真空処理”).対照として,同様のリンゴおよび酵素液をビーカーに入れ,ラップで口を覆い,50 ℃で同じ時間保温したものを作製した(“開放処理”).処理後の試料を,メッシュ4.75 mm,1.70 mm,受けの順にふるいを重ねた上に乗せ,自動振とうふるい機で30 秒間振とうし,各ふるいに残ったリンゴ処理物の重さを測定し分布を求めた.また別の処理後試料を凍結乾燥し,その一部を採取しメタノールで超音波抽出後定容し,高速液体クロマトグラフによりプロシアニジン2– 7量体の総量を求めた.

【結果】メッシュ4.75 mm分布の比率は,“真空処理”が1 hで23%,3 hで13%と大きな固形分がほとんど残っていなかったのに対し,“開放処理”は1 hで79%,3 hで74%と未分解の固形分が多く残っていた.またプロシアニジンの分析結果において,前者は原料に対してほぼ同量残存していたのに対し,後者は原料の半分以下にまで減少していた.以上の結果から,“真空処理”は酵素分解を促進するとともに,ポリフェノール等の酸化されやすい物質を保持する効果が期待された.

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