主催: 公益社団法人 日本食品科学工学会
会議名: 日本食品科学工学会第72回大会
回次: 72
開催地: 日本大学生物資源科学部 湘南キャンパス
開催日: 2025/08/27 - 2025/08/29
【目的】魚粉は魚丸ごとの栄養成分を摂取でき,形態も粉末であることから様々な食品や料理に添加しやすく保存性も高い.そのため,魚粉を主食に混合することでより手軽に魚の栄養成分が摂取できると考えられる.本研究では様々な魚介類を粉末化したものを中華麺に添加して魚粉混合中華麺を作成し,嗜好性,物理的及び化学的特性にどのような特徴があるか検討することを目的として実験を行った.
【方法】魚粉は,さきいか,ちりめん,ベビーホタテ,かつお節,とろろの5つを用い,それぞれ乾燥後ミルサーで粉末にした.試料となる麺は準強力粉,かん水,塩,タピオカ粉,全卵を用いたものを基準麺とし,これに前述の魚粉を粉重量の5%,10%になるように調整してよく混捏し20時間冷蔵保存した.その後1.5mmカッターを取り付けた製麺機で製麺し茹でた麺について,色度及び明度測定,破断強度,テクスチャー測定ならびに官能評価を行った.
【結果および考察】官能評価で基準麺と外観を比較した場合,魚粉添加量が増えると評価が低い傾向が見られ,特にちりめん添加麺が低値となった.明度測定では,L*値はちりめんは基準麺とほぼ同等であったが,a*値,b*値では基準麺よりも低値であったことから,色度の違いが外観の評価に影響を及ぼしている可能性が考えられた.官能評価で麺のかたさについて聞いたところ,どの魚粉も添加量が増えるに従い柔らかいと評価されていた.これはクリープメータでの破断強度測定の結果と同様の傾向だった.官能評価において総合評価が最も高かったのはかつお節添加麺であり,ちりめんの評価が最も低かった.ちりめん混合麺の自由記述欄に,「魚臭が強く,鼻から抜ける香りがよくない」といった回答があったことから,外観だけでなく香りが評価に大きく影響していることが伺えたため,麺の香気成分分析を行い解析を進めているところである.