日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第72回 (2025)
セッションID: 3La06
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[3La01-10] 発酵,酵素利用
乳酸菌と酵母の連続発酵によるぬか漬け様調味液の技術開発
*松栄 幸汰中西 愛美熊谷 武久
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キーワード: 乳酸菌, 酵母, ぬか漬け, 調味料
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抄録

【目的】

 ぬか漬けは日本の伝統的な発酵食品であり,主に乳酸菌と酵母の発酵によって,特徴的な酸味や香りが形成される.一方,ぬか床は手間と時間を要し,スターター技術が確立されていないため品質の安定性に懸念がある.研究では,食品工業において安全性や衛生面の確保が容易で,短時間かつ安定した品質で再現可能なぬか漬け様調味液の開発を目的とした.

【方法】

 1)本研究室で分離した乳酸菌31株と(株)ピックルスコーポレーションで選抜したSaccharomyces sp. Aを用い,ぬか,酵母エキス,グルコースを原料に培地を作製した.90 ℃で5分の加熱殺菌後,乳酸菌スターターを接種し,30 ℃で24時間培養した.乳酸発酵物を加熱殺菌後,酵母スターターを接種し,30 ℃で72時間培養し,官能評価により乳酸菌を選抜した.以降コントロールには,Lactiplantibacillus plantarum Pne-12とSaccharomyces sp. Aを用いた発酵物を使用した.

 2)選抜乳酸菌株と市販酵母9株及びSaccharomyces sp Aを用い,同様に発酵物を作成し,官能評価により乳酸菌と酵母の選抜を進めた.

 3)再選抜された乳酸菌と酵母の組み合わせで,30~40 ℃で酵母発酵物を作製し,官能評価と香気成分分析(GC/MS)を実施した.

【結果】

 1)Latilactobacillus sakei K6-1, Leuconostoc mesenteroides K6-3, Levilactobacillus brevis K13-12, Liquorilactobacillus nagelii K16-11, L. plantarum K15-11の5株を発酵物のにおいの強さから選抜した.

 2)K15-11株を除く乳酸菌4株とS. cerevisiae B, S. cerevisiae var. diastaticus Cの2株を発酵物のにおいの強さと酸臭,果実様のにおい,アルコール臭の観点から選抜した.

 3)GC/MS解析により,K6-1,K13-12,K16-11の各株とS. diastaticus Cとの組み合わせで,エステル類とアルコール類の総ピーク面積が増加した.特にPhenylethyl Alcoholと3-methyl-1-butanolの上昇が顕著であった.官能評価では,K16-11株とS. diastaticus Cの40 ℃発酵物のにおいが強く評価された.酸臭,果実様のにおい,アルコール臭が感じられ,不快臭は認められなかった.以上より,K16-11株とS. diastaticus Cを用いた発酵物の有用性が示唆された.

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