主催: 公益社団法人 日本食品科学工学会
会議名: 日本食品科学工学会第72回大会
回次: 72
開催地: 日本大学生物資源科学部 湘南キャンパス
開催日: 2025/08/27 - 2025/08/29
【目的】国内ではバイオマスの活用が推進されている.農水省では2030年までにバイオマスの利用率を80%に引き上げることを目標としている.しかし農作物非食用部などの未利用系バイオマスの利用率は,現在30%程度に留まり利用率の向上が求められている.本研究では農作物非食用部を原料として新規の後発酵茶の製造を行い,未利用系バイオマスの利用率の向上を目的とした.後発酵茶のスターターに用いる夾雑菌の増殖を抑制する乳酸菌の選抜を行なった.
【方法】素材葉10種と乳酸菌9種を後発酵茶材料の候補とした.各素材葉候補にスターター候補株(乳酸菌)が生育可能であるか観察した.すなわち,ミキサーで粉砕(20000 rpm,20秒)した素材葉候補を純水とともに10分間煮沸した.その後,濾過して得た素材葉候補のエキスを用いて素材葉寒天平板培地を作製した.素材葉寒天平板培地にスターター候補株を塗沫し培養した(30℃,2日間).素材葉寒天平板培地への生育が観察されたスターター候補株と素材葉候補の組み合わせで次の試験を行った.発酵茶サンプルを作製しスターター候補株が素材葉で増殖可能かを観察し,さらなる選抜を進めた.素材葉候補を10分間蒸した後に菌数が,10⁵ CFU/gになるようスターター候補株を添加後,嫌気発酵し(30℃,1週間),後発酵茶サンプルを作成した.発酵した後発酵茶サンプルと生理食塩水を懸濁した.懸濁液をGYP液体培地の入った96穴プレートで最大希釈法にてスターター候補株の増殖を観察した.
【結果】6種の素材葉寒天平板培地に7種のスターター候補株が生育した.この42組を選抜し,発酵茶サンプルを作製したところ,40組でスターター候補株の増殖が観察された.この40組は,後発酵茶材料候補として利用可能と考えられる.