日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第72回 (2025)
セッションID: 3Cp09
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[3Cp01-10] 加工,製造技術
メイラード反応により複合化したタンパク質/多糖類複合体がもつ乳化特性の解析とアラビアガム代替素材への活用
*上田 祐也, 酒井 貴博, 米澤 健人, 上久保 裕生
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抄録

【目的】

 アラビアガムはマメ科アカシア属の幹から採取される天然の乳化素材であり, 乳化力の高い素材として世界中で多くの食品に使用されている. しかしアラビアガムは紛争地域であるスーダンが主な生産地であり, その社会的な情勢から供給不安のリスクが高まっている. 本研究では, 持続的に入手でき, かつアラビアガムと同等の乳化力をもつ素材を開発することを目的として, 食品原料として広く使用されているタンパク質と多糖類のメイラード反応による複合化を検討した.

【方法】

 エンドウ豆タンパク質, デキストリン(DE値4及び25), 分岐デキストリン(DE値8)を原料として使用した. エンドウ豆タンパク質とデキストリンを配合した水溶液をpH 11に調整し, 120 ℃, 10分の加熱によりメイラード反応させた. その水溶液に10%の中鎖脂肪酸トリグリセリドを投入し, 高速撹拌機を用いて乳化処理し乳化組成物を得た. 得られた乳化組成物を5 ℃, 25 ℃, 40 ℃にて2週間保管し, 粒度分布の変化を評価することで, エンドウ豆タンパク質/多糖類複合体がもつ乳化分散能をアラビアガムと比較した.

【結果】

 エンドウ豆タンパク質はデキストリンと複合化させることで乳化分散能が向上する傾向にあり, 複合化させるデキストリンのDE値が小さい方が, 乳化粒子を微細かつ安定に分散できることがわかった. DE値4のデキストリンを用いたタンパク質/多糖類複合体により調製された乳化組成物は, 25 ℃及び40 ℃における保存安定性はアラビアガムと同程度であったが, 5 ℃では不安定であった. しかしながらDE値4のデキストリンと分岐デキストリンを併用することで, 5 ℃での保存安定性が改善されアラビアガムと同程度の乳化分散能を発揮するタンパク質/多糖類複合体を調製できることが見出された. この成果は, 供給リスクの低い持続可能なアラビアガム代替素材の開発に大きく貢献するものと期待される.

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© 2025 公益社団法人 日本食品科学工学会

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