日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第72回 (2025)
セッションID: 3Gp10
会議情報

[3Gp01-13] 食品分析、フレーバー物質、色素
食品の煮熟中に生成するストレッカーアルデヒド類の風味における二面性の評価
*伊藤 英俊塩澤 天真内田 光流飯島 陽子
著者情報
会議録・要旨集 オープンアクセス

詳細
抄録

【目的】 食品の加熱調理加工における煮熟やレトルト殺菌処理によって,ストレッカーアルデヒド類が生成することが知られている.ストレッカーアルデヒドには3-methylbutanalやmethional,phenylacetaldehydeなど,におい閾値が低い化合物もあり,“Cooked フレーバー”として食品本体の風味に影響を与えることが知られている.しかし,これらの食品風味への影響として,風味増強作用とオフフレーバー作用の両方の報告があり,食品の違いにより相反する二面的特性を示すことが考えられる.そこで本研究では,調味液の加熱によるストレッカーアルデヒド生成と食品風味への影響について調べることを目的とした.

【方法】 調味料水溶液として,醤油,味噌,トマトジュースを用いた.醤油や味噌は未加熱でもすでに製造工程中に生成したストレッカーアルデヒド類が含まれているため,その影響を考慮し,希釈液を用いることとした.調味料水溶液を密封条件で80℃で経時的に加熱し,サンプルとした.生成したストレッカーアルデヒド類について,ヘッドスペースガスSPME法で抽出し,GCMSで分析を行った.各成分の定量は,標品添加法により作成した検量線に基づき行った.また,加熱による増加分量を求め,未加熱サンプルに添加し,その際に感じる風味について官能評価を行った.

【結果】 いずれの調味料水溶液も加熱時間とともにストレッカーアルデヒド類が増加することを確認した.その増加分を未加熱サンプルに添加したところ,濃厚感が強くなり,官能的にも影響があることが分かった.しかし,醤油や味噌の種類によっては逆に不快な香りとなり,調味料ベースの香気組成がストレッカーアルデヒド類の感じ方に影響することが示唆された.

著者関連情報
© 2025 公益社団法人 日本食品科学工学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top