日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第72回 (2025)
セッションID: 2Bp-08
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[2Bp01-10] 食品機能 血糖調節、骨代謝、ミネラル代謝、その他食品機能
加工条件の違いがソバ加工品のポリフェノール含量およびin vitro生理活性へ与える影響
*宮内 聡荒川 碧海新井 由里香細川 恵小野里 真志前川 莉緒佐藤 吉朗小林 理恵重村 泰毅
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抄録

【目的】ソバ(Fagopyrum esculentum)は世界中で食される重要な穀物であり,日本では主に麺として食されている.ソバにはポリフェノールなどが豊富に含まれ,抗酸化作用などの生理活性が期待される.しかし,ソバの加工条件の違いがこれらの成分や活性に与える影響についての報告は少ない.本研究では,ソバ加工品であるそば粉およびそば茶を対象とし,加工条件の違いがポリフェノール含量とin vitro生理活性(抗酸化活性,ACE阻害活性,リパーゼ阻害活性)に与える影響を明らかにすることを目的とした.

【方法】試料は,胚乳主体の内層粉,胚芽・種皮を含む外層粉,およびその両者を含む全層粉の3種に加え,それぞれについて製粉前のソバ種子段階で加熱殺菌処理を実施した計6種のそば粉を用いた.また,そば茶は,焙煎した普通そば茶と,Aspergillus oryzaeで発酵後に焙煎した発酵普通そば茶の2種を使用した.各試料100 mgに純水1 mLを加え,室温で30分振とう後に遠心し,上清をフィルターろ過した抽出液をin vitro生理活性測定および各種分析に用いた.抗酸化活性はDPPH法により, ACE阻害活性およびリパーゼ阻害活性は既報の方法により測定した。ポリフェノール含量は,総ポリフェノール量はFolin-Ciocalteu法により,総フラボノイド量は塩化アルミニウム法により,一部ポリフェノール化合物はHPLCにより定量した.

【結果】抗酸化活性はそば粉よりそば茶で高く,そば茶間では発酵処理により有意に増加した.そば粉では粉種間に活性に有意な差はなかった.総ポリフェノール量は発酵そば茶で最も高く,発酵処理により大幅に増加した.総フラボノイド量は未加熱処理の外層粉で最も高かった.ACE阻害活性はすべてのそば粉で高く,そば茶では発酵処理により活性が顕著に増加した.リパーゼ阻害活性は全試料で認められなかった.以上の結果から,発酵処理後の焙煎によるそば茶への加工がソバ加工品の抗酸化活性,ACE阻害活性および総ポリフェノール量を高めることが明らかとなった.

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