日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第72回 (2025)
セッションID: 2Cp07
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[2Cp01-10] 食品機能 抗酸化、その他食品機能
焙煎ムクナ粉において増加する抗酸化成分の探索
*小林 諒馬郡山 貴子細谷 孝博
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抄録

【目的】ムクナ豆(Mucuna pruriens)は熱帯・亜熱帯地域に自生するマメ科植物であり、神経伝達物質ドーパミンの前駆体であるL-DOPAを豊富に含有することが特徴である。L-DOPAは高い抗酸化作用を示すが、我々の先行研究において、ムクナ豆粉末を焙煎すると、一定温度でL-DOPAの含量が減少するにもかかわらず、DPPHラジカル消去活性が保持されることが明らかとなった。すなわち、焙煎処理によってL-DOPA以外の抗酸化活性成分が新たに生成、あるいは増加している可能性が示唆された。そこで本研究では、焙煎処理によって生成される抗酸化成分の探索、単離および構造同定を目的とした

【方法】ムクナ豆粉末を150 ℃、170 ℃、190 ℃、210 ℃の4条件で焙煎し、成分の変化を比較した。その結果、150~190 ℃において特定成分の増加が確認されたため、これら3条件の焙煎粉を混合した。混合粉にアセトンを加えて脱脂処理を行った後、メタノールを加え抽出し、目的成分を濃縮した。得られたメタノール抽出物を各種カラムクロマトグラフィーなどにより分離し、単離化合物について核磁気共鳴(NMR)および質量分析(MS)を用いて構造解析を行った。

【結果】焙煎処理によって増加した成分として、2種の化合物を単離した。化合物1は非結晶性で、分子量331、分子式C₁₇H₁₇NO₅とMSにより決定された。さらにNMR解析の結果、化合物1はTetrahydropapaveroline 3-carboxy acidと構造決定された。化合物2は化合物1と同様の分子量および平面構造を有していたが、スペクトルの一部に違いが見られたことから、立体異性体である可能性が示唆された。両化合物は既存文献に報告例のない新規化合物であり、現在はCDスペクトル測定等による立体配置の決定を進めている。本大会では、これら新規化合物の構造情報に加え、抗酸化活性評価の結果についても報告する。

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