抄録
本研究では,女子大学生における化粧頻度が,化粧の心理的効用および自己意識にもたらす違いを検討した。質問紙調査により女子大学生129名から有効回答が得られた。その回答者を化粧頻度の高群(N=67)と低群(N=62)に分け,各変数の得点を比較した。その結果,化粧の効用認知,対人不安の「自信のなさ」の改善度,公的自己意識について,化粧頻度高群が化粧頻度低群よりも高い得点を示した。これらは既往研究とも整合する知見であった。得られた結果に基づき,現代の女子学生における自己評価の維持や感情調整の手段としての化粧の活用について議論した。