容装心理学研究
Online ISSN : 2436-3367
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選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 菊島 正浩, 櫻井 毬萌
    2024 年 3 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/20
    ジャーナル フリー
    本研究では,マスクを着用した人物写真の魅力評価に及ぼすマスクの種類および着用 方法の影響を検討した。実験 1 では,着用したマスクの種類の影響を検討した。不織布製サージカルマスク,布製平型マスク,ナイロン・ポリウレタン製立体マスクの 3種のマスクを着用した 4 名の人物写真について,大学生 63 名が魅力評価を行った。その結果,布製平型マスクでは不織布製サージカルマスクやナイロン・ポリウレタン製立体マスクよりも魅力評価が低くなることが示された。実験 2 では,マスクの着用方法の影響を検討した。2 名の人物が不織布製サージカルマスクを引き下げて着用して鼻背を露出させた写真,さらに引き下げて鼻を完全に露出させた写真,鼻全体を覆って適切に着用した 3 種の写真について,大学生 20 名が魅力評価を行った。その結果,鼻全体を覆って適切に着用した場合に比べ,マスクを引き下げて鼻背が見えるように着用した場合は評価が低くなり,鼻を完全に露出させた場合にはさらに評価が低くなることが明らかとなった。
  • 客観データに基づくシルエット図を用いた大学生を対象とした検討
    鈴木 公啓, 岸本 泰蔵 , 今井 浩
    2024 年 3 巻 1 号 p. 8-20
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/20
    ジャーナル フリー
    本研究は,客観的な実際の計測データを元に作成した 3DCG に基づくシルエット図を刺激として,WHR と WBR そして BMI が魅力の評定に及ぼす影響について明らかにすることを目的とした。魅力だけではなく,他のボディイメージの評価についても尋ね,それらの位置づけについても同時に明らかにすることとした。なお,20 代女性の体型について検討した。男性 168 名(平均年齢 20.49,SD = 1.33)および女性 239 名(平均年齢 20.08,SD = 0.99)を対象とした。分析の結果,男女ともに,ヒップの小さい方を魅力的と評価し,また,バストサイズは大きい方を魅力的と評価していること,そして痩せている方を魅力的と評価していることが確認された。平均の認識は,男女によって異なることも示された。WHR については,他の文化と魅力の基準が異なっていることが示唆されるとともに,評価する際に民族グループによって基準が変更されている可能性が示唆された。
  • 各方面からの期待を読み解いて
    鈴木 公啓, 川田 裕次郎, 原田 輝一, 野村 竜也, 今井 浩, 早野 雅人, 大坊 郁夫
    2024 年 3 巻 1 号 p. 21-28
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/20
    ジャーナル フリー
    外見に関する心理学の研究は必ずしも潤沢にあるわけではない。しかし,外見は人々のQOLにも大きな影響を与えるのみならず,社会との関わりという点で非常に大きな要因となっている。そして,他の学問分野や産業界からは,外見に関する心理学の研究とその知見が期待されていると考えられる。そこで,本シンポジウムでは,スポーツ科学,医学,情報工学,といった心理学の隣接分野の方々,そして,アパレル企業の方,そして一般の方にご登壇頂き,外見についての心理学の研究がどのようにそれぞれに関わりうるのか,そして,何を期待しているのかについて,話題提供をして頂いた。その上で,心理学の側からはいったい何をおこなうことができるのかについて議論をおこなった。
  • 観察-受容理論に基づく横断的研究
    陳 潔寅, 宮田 裕光
    2024 年 3 巻 1 号 p. 29-40
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/20
    ジャーナル フリー
    本研究では,身体醜形懸念のリスク要因となりうる心理特性としての外見スキーマ,社会的比較志向性,自尊感情と身体醜形懸念との関連,および「観察-受容理論」に基づく特性マインドフルネスとその要素の身体醜形懸念に対する保護要因としての機能を,横断的方法により検討した。大学生を対象に,オンラインと紙媒体を併用した質問調査を行った。その結果,外見スキーマおよび社会的比較志向性は身体醜形懸念と有意な正の相関,自尊感情は身体醜形懸念と有意な負の相関を示した。また,特性マインドフルネスの「受容」要素の得点は,リスク要因から身体醜形懸念への影響を有意に部分媒介していた。特性マインドフルネスの「観察」要素は,これらの関連において有意な媒介効果を示さなかった。これらの結果は,特性マインドフルネスの「受容」要素がリスク要因から身体醜形懸念への影響を緩和しており,「観察」要素はそれらの影響を緩和していないことを示唆している。将来の研究では,マインドフルネスに基づく介入の効果検証において特に「受容」の側面に焦点を当てることが,身体醜形障害の予防のための有望なアプローチとなる可能性がある。
  • 化粧頻度による比較
    青木 多寿子, 小原 理子, 三沢 良
    2024 年 3 巻 1 号 p. 41-45
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/20
    ジャーナル フリー
    本研究では,女子大学生における化粧頻度が,化粧の心理的効用および自己意識にもたらす違いを検討した。質問紙調査により女子大学生129名から有効回答が得られた。その回答者を化粧頻度の高群(N=67)と低群(N=62)に分け,各変数の得点を比較した。その結果,化粧の効用認知,対人不安の「自信のなさ」の改善度,公的自己意識について,化粧頻度高群が化粧頻度低群よりも高い得点を示した。これらは既往研究とも整合する知見であった。得られた結果に基づき,現代の女子学生における自己評価の維持や感情調整の手段としての化粧の活用について議論した。
  • 大村 美菜子, 沢宮 容子
    2024 年 3 巻 1 号 p. 46-49
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/20
    ジャーナル フリー
    本研究では醜形恐怖心性と自己受容感および賞賛獲得欲求および拒否回避欲求との関連について検討した。調査対象者は大学生536名であった。結果として,青年期においては,「自己受容感」から「拒否回避欲求」を媒介し「醜形恐怖心性」へ影響を与えていた。すなわち,自身の良い面も悪い面も受け入れられない状態にある場合,他者からの否定的な評価を避け,容姿へのこだわりを強めることが明らかになった。
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