2010 年 17 巻 1 号 p. 1_57-1_84
本研究は、消費者行動研究における構成概念から、イノベーション研究におけるリードユーザーの測定尺度を提案し、リードユーザーと生産する消費者の関係を考察したものである。結果として、これまでの研究を追証しながらも、関与という概念を導入することで、リードユーザーと生産する消費者の新しい関係を見出すことができた。リードユーザーと生産する消費者の間には、関与という概念が大きな影響を与えており、両者を説明する関与が最も重要な特性であるといえる。また、リードユーザーと生産する消費者は、消費の面で異質であり、非常に高価値で活発なリードユーザーに比べ、生産する消費者は、少なくとも消費の側面では重要な存在ではないことが示された。