消費者行動研究
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論文
チェーンストアにおけるサービス風土が顧客の知覚品質に及ぼす影響
─階層線形モデル(HLM)を用いた顧客レベル分析
徐 彬如若林 靖永
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2013 年 20 巻 1 号 p. 1_13-1_34

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抄録

本稿の目的は顧客サービス志向の組織風土、すなわちサービス風土が顧客の知覚品質に及ぼす影響を検証することである。先行研究のほとんどはサービス風土の多次元性を度外視した集団レベルの分析であった。また、多くの先行研究は階層的データ(1)を取り扱っているにもかかわらず、必ずしもそれに相応しい統計手法が取られていない。本稿は多次元的にサービス風土(全般的サービス風土、顧客志向、管理慣行、顧客フィードバック)を捉えた上で、階層線形モデル(HLM)(2)を利用し、顧客レベルからサービス風土と顧客の知覚品質における関係性を分析した。具体的には、食品チェーンストアを展開するA社の20店舗を対象として、そこで勤務する従業員(159名)および店舗利用客(214名)の双方からデータを収集した。実証分析の結果、顧客レベルの分析においても、多くのサービス風土の次元が顧客の知覚品質に有意な影響を与えることが確認できた。

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© 2013 日本消費者行動研究学会
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