近年の消費者行動研究においては、解釈レベル理論の導入が盛んに進められている。しかしながら、各研究は個別的に行われており、全体を体系づけた研究は行われていない。そこで本研究では、マーケティングおよび消費者行動研究関連のジャーナルを対象としたレビューを行うことにより、既存研究における知見の整理と体系化を図った。既存研究を4つのグループに分類しレビューした結果、研究の進展に伴い、解釈レベル単独の効果に注目した研究から他の理論を取り入れた研究へと潮流が変化していることや、消費者行動研究において解釈レベル理論の位置づけが変化していることなどが明らかになった。最後に、レビュー結果を踏まえ、消費者行動研究において解釈レベル理論を導入することの意義と課題について議論を行った。