消費者行動研究
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論文
消費者行動論のための無意識的思考研究の体系化
多田 伶勝又 壮太郎
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2020 年 26 巻 1_2 号 p. 1_2_23-1_2_48

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抄録

近年、無意識の認知プロセスを探究する手段として、無意識的思考理論が注目を集めている。本研究の目的は無意識的思考研究を消費者行動論に応用するため、2つのレビューを通して、研究の深化と課題を示すことである。定量的手法を用いたレビューでは、無意識的思考研究の領域を概観し、既存研究が2つのテーマに類型化できることを明らかにした。そのなかでも、判断・意思決定が重要な研究テーマであることを確認し、それらの研究がマーケティングや消費者行動の分野において展開されていることを示した。主要論文のレビューでは、既存研究を系統的に分類したうえで、思考モードの情報処理メカニズムに注目した研究と思考モードと判断・意思決定の調整変数に注目した研究を紹介した。最後に、無意識的思考研究の学術的、実務的意義を検討し、今後の研究課題を指摘する。

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© 2020 日本消費者行動研究学会
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