接着歯学
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ワンステップセルフエッチングアドヒーシブシステム (Xeno CF II Bond) の臨床評価
杉崎 順平森上 誠宇野 滋山田 敏元
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2005 年 23 巻 3 号 p. 214-217

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抄録

2001年, デンツプライ三金により開発されたXeno CF II Bondは2ボトルタイプのワンステップセルフエッチングアドヒーシブシステムであり, フッ素徐放性のホスファゼンモノマーを含んでいる.本研究ではこのXeno CF IIボンディングシステムと, 同じくフッ素徐放性修復材料であるXeno CFレジンを用いた修復物の短期的臨床評価を行った.2名の術者によって30名の被験者に対し30本のV級または懊状欠損窩洞が歯質を極力保存するように形成され, 本システムを用いて修復が施された.べースラインとして修復直後にADAの評価基準に基づいて臨床的に評価された修復物は, その後18カ月後まで定期的にリコールされ, 同様に評価が行われた.その結果, 18カ月後までの期間すべての修復物はAlphaと評価され, BravoまたはCharlieと評価されたものは1例もなかった.本システムにおけるKaplan-Meierの生存率は1.00であり, 18カ月後までの短期的臨床経過は良好であることが判明した.MIによる修復を可能にする有効な修復システムであると考えられた.

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