日本接着学会誌
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研究論文
種々のポリウレタンで鎖延長した一液性エポキシ接着剤の調製と物性
佐藤 暢也中村 通利稲垣 慎二山田 英介
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2001 年 37 巻 3 号 p. 101-108

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抄録

化学構造の異なる種々のマクログリコール(3種類:ポリエーテル系,ポリカーボネート系,ポリブタジエン系)をソフトセグメントとするウレタンプレポリマーと水酸基を有する2種類のビスフェノールA型エポキシ樹脂混合物を反応させた。そのウレタン鎖延長エポキシ樹脂をジシアンジアミド硬化系の一液性接着剤として調製し,硬化物の諸物性とウレタンの構造との関係を検討した。ポリカーボネート系は高反応量で高接着強度を発現し,ポリエーテル系,ポリブタジエン系は比較的低反応量で高強度を発現していることからソフトセグメントの化学構造により,エポキシ樹脂に対する相溶性が異なると考えられる。動的粘弾性及びモルホロジー観察から,ポリカーボネート系はエポキシ樹脂と相溶性良好であるため相分離構造を形成しづらく,ポリエーテル系及びポリブタジエン系は相分離構造を形成することを認めた。特に,ポリエーテル系はウレタン粒子が微細な相分離構造であった。これらの接着特性は,構造用接着剤として使用できる程優れていることを示した。

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© 2001 一般社団法人 日本接着学会
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