日本接着学会誌
Online ISSN : 2187-4816
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37 巻, 3 号
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総説
研究論文
  • 佐藤 暢也, 中村 通利, 稲垣 慎二, 山田 英介
    2001 年 37 巻 3 号 p. 101-108
    発行日: 2001/03/01
    公開日: 2014/10/31
    ジャーナル フリー
    化学構造の異なる種々のマクログリコール(3種類:ポリエーテル系,ポリカーボネート系,ポリブタジエン系)をソフトセグメントとするウレタンプレポリマーと水酸基を有する2種類のビスフェノールA型エポキシ樹脂混合物を反応させた。そのウレタン鎖延長エポキシ樹脂をジシアンジアミド硬化系の一液性接着剤として調製し,硬化物の諸物性とウレタンの構造との関係を検討した。ポリカーボネート系は高反応量で高接着強度を発現し,ポリエーテル系,ポリブタジエン系は比較的低反応量で高強度を発現していることからソフトセグメントの化学構造により,エポキシ樹脂に対する相溶性が異なると考えられる。動的粘弾性及びモルホロジー観察から,ポリカーボネート系はエポキシ樹脂と相溶性良好であるため相分離構造を形成しづらく,ポリエーテル系及びポリブタジエン系は相分離構造を形成することを認めた。特に,ポリエーテル系はウレタン粒子が微細な相分離構造であった。これらの接着特性は,構造用接着剤として使用できる程優れていることを示した。
研究論文
  • 中村 吉伸, 飛田 圭之, 西村 充史, 飯田 健郎
    2001 年 37 巻 3 号 p. 92-100
    発行日: 2001/03/01
    公開日: 2014/10/31
    ジャーナル フリー
    粒子充填複合材料における粒子の表面にシランカップリング剤を多分子層被覆させた効果について検討した。粒子のモデルとして平均粒子径が50μmのガラスビーズを用い,シランカップリング剤は有機官能基としてアミノ基とメタクリロキシ基を持つもの,またアルコキシ基の数が2個と3個のものを用いた。シランのイソプロパノール溶液でガラスビーズの湿式処理を行い,平均鎖長が4-6分子の多分子処理層を表面に形成させた。処理層の形態は粒子表面を原子間力顕微鏡で直接観察した。この粒子を延性の高分子であるポリ塩化ビニルに充填し,力学特性を評価した。未処理粒子の添加では降伏強度が低下したが,シランカップリング剤による表面処理でこの低下が抑制された。シランの有機官能基はアミノ基>メタクリロキシ基>未処理の順に改善の効果が高く,アルコキシ基の数は3個より2個の方がより有効であった。しかしながら,破断伸度は降伏強度とは逆に界面の接着性の向上に伴って低下し,破壊エネルギーも低くなった。
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