2003 年 39 巻 5 号 p. 177-182
FRP(アルミナ繊維強化プラスチックス,炭素繊維強化プラスチックス)/SUS304接着継手を対象とし,疲労強度に及ぼす熱応力と機械的平均応力の影響を検討した。3次元応力解析・応力特異場解折を行い,応力特異場の強さのはく離長さ依存性を求めた。その結果二重重ね合せ継手の疲労強度ははく離の発生,埋込み継手の疲労強度ははく離の停留で決まることが分かった。次に,室温及び液体窒素温度での接着継手の疲労試験を行った。疲労試験結果を応力特異場の強さ範囲を用いて整理したところ,熱応力による強度低下と,強度そのものの温度依存性に分離して評価可能であることが分かった。また,機械的な平均応力による疲労強度の低下も熱応力と同様な定量的な評価ができることが分かった。