抄録
ユリア(UF)樹脂の加熱による硬化機構の解析を動的粘弾性測定及び'^C-NMR解析などから考察した。また,加熱によるUF樹脂の化学拙造変化が,ホルムアルデヒド放散性に及ぼす影響につして検討した。その結果:,F/U=1.6及び1.1では,動的粘弾性測定で示される温度期~乃間で,樹脂分子のゲル化と架橋構造の生成により相対剛性率g;/g;が増加した。さらに.g;/Goは醐~乃間で平坦域を示した。一方,F/U=1.2及び1.0では.To~乃間でtan6のピークは1つしか示さず.-I分なゲル化を経ずにガラス化したと考えられた。115℃で硬化したUF樹脂のDMSO可溶部には,遊離ホルムアルデヒド,ジメチレンエーテル結合及びメチロール基などを含んでいて.F/U比が大き↓・樹脂ほどこれらを多く含んでいた。したがって.F/U比が大きい樹脂がゲル化した場合,加水分解を受けやすい官能基やメチレングリコールを含んでおり,これらがホルムアルデヒド放散の原因の一つであると推測された。