2013 年 49 巻 8 号 p. 275-281
ポリプロピレン/エラストマー/フィラー複合材料に関して,フィラー添加による衝撃強度の変化にマトリックス相の衝撃破壊状態がどう影響を及ぼすかについて検討した。フィラーとして粒子径数μmの炭酸カルシウムを用いた。 低温あるいは低エラストマー量でマトリックス相が脆性破壊する場合には,フィラー添加は衝撃強度をわずかに向上させた。一方,温度の上昇あるいはエラストマー量増加によってマトリックスが延性破壊する場合には,フィラー添加は衝撃強度を顕著に低下させた。さらに,より高温でマトリックスの延'性が高くなると,フィラー添加は衝撃強度を再び向上させた。このように,数μmのフィラー添加が衝撃強度に与える影響は,マトリックス相の衝撃破壊の状態に大きく依存していた。以上のように,プラスチック複合材料の耐衝撃性に関するフィラーの役割を明らかにした。